プラセンタ注射
1.プラセンタとは
プラセンタ(メルスモン®)は 1956 年に承認されたヒト胎盤から作られる医療用医薬品です。胎盤は妊娠中のみに形成され、赤ちゃんとお母さんをつなぐ重要な役割をもつ臓器です。胎盤は多くのアミノ酸やビタミンを豊富に含んでいるため、ウマやウシなど出産後に胎盤を食べる動物も多くいます。また胎盤を原料にした薬は古くから使用され、中国では秦の始皇帝や唐の楊貴妃、エジプトのクレオパトラ、フランスのマリーアントワネットが若返りの薬として使用していた記録があります。現在日本で使用できるプラセンタは国内の安全なヒト胎盤を原料とした注射薬で、多種のアミノ酸を含有しています。発売以来、重大な副作用の報告はなく、以下のような効果が期待できます。
2.プラセンタの効果
保険診療:更年期障害による諸症状(のぼせ・冷え・不眠・イライラ感・頭痛・疲労・肩こり・腰痛など)の改善、また、産後の乳汁分泌不全の方に使用されます。副作用の関係でホルモン補充治療ができない方でも使用することができます。
自費診療:シミ、しわの改善、ほうれい線の改善、美肌効果、美白効果、育毛効果、年齢による性交痛の改善など様々な効果が期待できます。また保険適応はありませんが、ニキビ、アトピー性皮膚炎にも使用されています。
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保険適応:初回990円~ 2回目以降 1アンプル 500円
- 自費診療:初回1000円 2回目以降 1アンプル1000円 2アンプル2000円 (※税込み)
4.投与方法
プラセンタ(メルスモン®)を1~2 アンプルを上腕に皮下注射します。週3回をベースに適宜増減します。刺激が少ない薬剤で、一般的な皮下注射と比較して痛みは少ないと言われています(個人差はあります)。
5.注意点
プラセンタを注射した方は、献血を行うことができなくなります。これは注射によってクロイツフェルト・ヤコブ病(ヒトに感染する狂牛病)に感染するリスクが0%と言えなくなるためです。ちなみに、プラセンタを注射したことでクロイツフェルト・ヤコブ病に感染した例は1例もありません。献血はできなくなりますが、輸血を受けることは問題ありません。
6.当院では
当院では副院長の亜希先生を始め、複数のスタッフが定期的にプラセンタ注射を受けています。またプラセンタ治療に加え、ホルモン補充療法や漢方治療を組み合わせた更年期治療も行っていますので、婦人科以外でプラセンタ注射を受けておられる方でも、更年期障害でお困りでしたらお気軽にご相談ください。